「AI副業は怪しい」と感じる人へ。始めて3ヶ月の40代の正直な現実

暗がりで光るスマートフォンにためらいながら手を伸ばす様子 アプリ開発

「AI副業」と検索した手が、最後の一押しのところで止まる。その気持ち、僕はよく分かります。画面の向こうで誰かが「ChatGPTで月30万」「AIに任せたら半年で会社を辞めました」と笑っている。すごいなと思う一方で、胸の奥がざわっとする。これ、本当なのか。自分が知らないだけで、みんなもう稼いでいるのか。それとも、近づいたら何か悪いものに巻き込まれるのか。

僕は42歳、地方の販売店舗で売場主任をやっている、コードの一行も書けない人間です。この春、3月の末にClaude Code(クロード・コード/AIに指示して作業を手伝ってもらう道具です)というものを触り始めて、いまでちょうど3ヶ月。今日は「AI副業って怪しくないですか?」という問いに、3ヶ月やってみた僕なりの、地味でかっこ悪い現実から答えてみます。

先に言っておくと、僕はまだ1円も稼げていません。その上で、なぜ続けているのか。何が怪しくて、何が本物なのか。3ヶ月かけて僕が自分なりに引いた線を、正直に書きます。

「怪しい」と感じるのは、あなたの感覚が正常だからです

まず最初に、これだけは言わせてください。AI副業を「なんか怪しい」と感じてしまうのは、あなたがだまされやすいからでも、行動力がないからでもありません。むしろ逆で、その違和感はかなり正常な防衛本能だと僕は思っています。

僕も最初の2週間、スマホを握ったまま何度も同じ場所をぐるぐるしていました。「月◯万円稼げました」という投稿を見ては、すごいと思い、次の瞬間には「いや、これ嘘くさいぞ」と思う。その繰り返しです。情報が多すぎて、何が本物か分からなくなる。あの感覚は、たぶん多くの人が通る道です。

販売の仕事を20年やってきて思うのですが、「うますぎる話」に体が一瞬ひるむのは、生き物としてまっとうな反応です。店頭でも「これ一本で何でも落ちます」みたいな商品ほど、お客さんは手を引っ込めますよね。あれと同じです。だから、その違和感は捨てなくていい。むしろ持っておいたほうがいい。

ただ、その違和感を「だからAI副業は全部嘘だ」と一括りにしてしまうと、今度は本物まで一緒に捨ててしまいます。これがもったいない。僕がこの3ヶ月でいちばん時間をかけたのは、実は技術の勉強ではなくて、この「怪しいもの」と「地味だけど本物のもの」をより分ける作業だった気がします。我ながら、ずいぶん遠回りな始め方をしたなと思います。

キラキラ発信に感じる、あの違和感の正体

SNSで流れてくる副業発信を見ていて、僕がいちばんモヤッとするのは「結果だけがある」ことです。

収益の画面。きれいなグラフ。海外のビーチでパソコンを開いている写真。それらは全部「もう着いた人」の景色なんです。でも、僕みたいに「これから出発する人」が知りたいのは、そこじゃない。どこで道に迷ったのか、何回つまずいたのか、最初の一歩で何時間溶かしたのか。そういう途中の景色が、キラキラ発信にはごっそり抜けています。

正直に言うと、僕は同年代でバリバリ稼いでいる人を見ると、いまでも少し焦ります。40歳を過ぎて、いまさら始めて遅くないのか。そういう気持ちは、ずっと胸の隅にある。でも、その焦りに乗せられて財布を開きそうになった時、僕はいつも一度立ち止まるようにしています。「この人は、僕に何を売ろうとしているんだろう」と。

無料で有益な情報を出している人が、その先で何も売っていないなら、それはありがたい話です。でも「無料プレゼント」の出口が、たいてい数万円の教材につながっているなら、その無料は入口の撒き餌です。これを見分けるのに資格はいりません。「この親切の、出口はどこか」を一度だけ考えればいい。それだけで、最初の一押しは止まります。

※ここでは具体的な詐欺の手口そのものには踏み込みません。手口の見分け方をもう少し詳しく知りたい方は、別の記事にまとめてあるので、この記事の最後のリンクから読んでみてください。

3ヶ月やってみた、ぜんぜんキラキラしていない現実

では、怪しさを警戒しながら実際に3ヶ月やってみて、僕の現実はどうなったか。盛らずに数字で書きます。

  • 続けた期間:今年の春(3月末)から約3ヶ月
  • 書いたブログ記事:50本ちょっと
  • 副業として口座に入ったお金:0円
  • 毎月かかっている費用:AIの利用料などで月2万円前後
  • 作業時間:平日の夜、書斎で2〜3時間

はい。3ヶ月で、収入はゼロ。出ていくお金だけはきっちりかかっています。AIの上位プランは、月18,000円くらい。家計簿を毎月つけている節約家としては、正直、この欄を入力する指がたまに重くなります。

キラキラ発信とは真逆です。ビーチもグラフもない。あるのは、帰宅して夕食を食べたあと、書斎にこもってパソコンに向かう42歳の背中だけ。妻には最初の2ヶ月、副業のことをちゃんと話せていませんでした。「稼げてもいないのに何を報告するんだ」という、小さな見栄があったんだと思います。数週間前にやっと打ち明けて、数字をそのまま並べたら、返ってきたのは「ふうん」の一言。少し間があってから「やめないんだね」とだけ言われました。拍子抜けしたような、ほっとしたような、変な気分でした。

これが、AI副業の「普通の現実」だと僕は思っています。怪しい話の対極にあるのは、実は華やかな成功ではなく、こういう地味で、すぐにはお金にならない時間なんです。

稼げていないのに、なぜ僕は続けているのか

ここまで読んで、「3ヶ月ゼロ円なら、それこそ怪しいか、向いてないんじゃないの」と思った方もいると思います。そのツッコミは正しい。僕も自分に何度も同じことを言いました。

それでも続けているのは、理由が3つあります。

1つ目。お金は出ていないけれど、自分の中に確実に「できること」が増えている実感があるからです。最初に作ったのは、家計簿のCSV(表のデータ)から月の合計を出すだけの小さなプログラム。これは前にも書きましたが、コードなんて一行も書けない僕が、AIに相談しながら、8分ほどで動くものを作れたんです。あの瞬間の「えっ、できた」という感覚は、怪しい広告のどんな数字より本物でした。

2つ目。費用と効果が、自分の目で見えているからです。月2万円という出費は痛いです。でも、それが何に消えているのかを僕は説明できる。AIに払って、何を作って、何を学んだか。これが「LINE登録したら数日後に高額オファーが来る」みたいな、出口の見えないお金とは決定的に違います。自分でコントロールできているお金は、減っていても怖くない。

3つ目。これがいちばん大きいのですが、僕は過去に節約ブログなどで3回挫折しています。そのたびに「楽に稼げる方法」を探しては、見つからなくて辞めていました。今回は、最初から「すぐには稼げない」と腹をくくって始めた。だから、ゼロ円でも想定の範囲内なんです。焦りがない分、変な話に乗りそうになっても、手前で踏ん張れている気がします。

僕なりの「怪しい・本物」の線引き

3ヶ月かけて、僕は自分の中に一つの物差しを持つようになりました。完璧ではありません。でも、いまのところこれで大きく外していない。ざっくり言うと、こんな仕分けです。

こう感じたら警戒するこう感じたら少し信用する
結果(収益画面)しか見せない失敗やつまずきも見せている
「楽に」「すぐ」「放置で」を強調する「地味」「時間がかかる」と正直に言う
無料の出口が高額商品につながる無料は無料で完結している
具体的な作業内容が有料の先にある何をやるかを先にちゃんと見せる

ただ、この表で全部きれいに割り切れるかというと、そうでもありません。正直に書くと、僕もいまだに判断に迷う発信はあります。良さそうに見えて、後から「ん?」と思うこともある。この線引きは、たぶんこれからも何度も書き直すことになると思います。だから「これさえ守れば絶対安全」という話としては受け取らないでください。あくまで、3ヶ月目の僕の途中経過です。

そして、もう一つだけ。AIを使った副業を始めるとき、何を作るか、誰に届けるか。この入口の判断だけは、AIに丸投げしないでください。「儲かるジャンルを教えて」と聞けば、それっぽい答えは返ってきます。でも、そこを鵜呑みにした人ほど、後から「こんなはずじゃなかった」と、怪しい話のほうへ転がっていきやすい。入口だけは、自分の事情を知っている自分で決める。それが、怪しさに足をすくわれないための、いちばん地味で確実な防御だと思っています。

「怪しい」を持ったまま、半歩だけ進む

結局のところ、AI副業が怪しいかどうかは、白か黒かでは答えられません。怪しい入口は確かにあります。でも、その隣に、地味で時間はかかるけれど本物の道もある。違うのは、儲け話そのものの善し悪しではなく、近づき方なんだと思います。

だから僕が、同じように二の足を踏んでいる同世代に言いたいのは、「疑う気持ちを捨てて飛び込め」ではありません。逆です。その怪しいという感覚を、握ったまま半歩だけ進んでみてください、ということです。財布を開く前に、まず無料でできる範囲を触る。月3,000円のサブスクに1週間悩むくらい慎重でちょうどいい。僕もそうでした。

今日できる小さな一歩を一つだけ挙げるなら、気になっている発信を見たとき「この人は最後に何を売っているか」を一度だけ確かめてみることです。それだけで、怪しいものの大半は手前で止まれます。お金を出すのは、そのもっと先でいい。

3ヶ月ゼロ円の僕が言うのもなんですが、焦らなくて大丈夫です。少なくとも僕は、まだ何も失っていません。

次回予告

「怪しい」の正体が少し見えてくると、次に出てくるのは「じゃあ、結局何から始めればいいの?」という疑問だと思います。次回は、AI副業の代表的な3つの道——ブログ・アプリ・受託の仕事——を、それぞれどんな人に向いているか、僕なりの向き不向きで整理してみます。3ヶ月触ってみて分かった、入口ごとの「合う人・しんどい人」の話です。

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